そば界の旗手・永山寛康の「ロマンは蕎麦にあり」

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RSS 小原さんの「永山塾」奮戦記その8 洋風そば甘味と後日談

<<   作成日時 : 2007/08/22 19:33   >>

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洋風のそば甘味です。
今回は作り置きがきく、ゼリー系の甘味を中心に作りました。さらしな粉とこし餡の比重の差を利用してカクテル風に仕上げた三層ゼリーや、そば米を煎りあげて作るソバ珈琲風ゼリー。そばつゆのもとの「返し」を使ったアイスクリーム、ダッタンそば茶の風味をいかしたそば茶ミルクプリン等、そば屋ならではの食材を使った甘味の世界です。甘い甘味の後で、そば店独立開業のちょっと苦い話にも耳をかたむけてください。


【ソバのクレープ】
チーズ、生クリーム、はちみつを練って仕上げたクリームとこし餡、フルーツを一緒にクレープ生地で巻きました。
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【そば珈琲風ゼリー】
そば米(そばの実を塩ゆでし蒸して乾燥させた加工品)を強く煎り、煮だしてゼリーで固めます。クリームは牛乳にさらしな粉でとろみをつけてあります。そば粉のアイスクリンはしゃりっと昔の味。軽く煎ったそば米とそばの芽を飾って、すべて「ソバ」で作りました。
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【ダッタンそば茶のミルクプリン】
ダッタンそば茶を牛乳で煮だします。さらしな粉のアングレーズソースに生ピスタチオ。
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【返しジェラート】
一見普通のアイスクリームですが、そば汁に使う「返し(しょうゆ、みりん、砂糖で作る)」を加えて作ってあります。甘さの中にしょうゆの香ばしさを感じる不思議なおいしさがあります。ワサビをたっぷり添えて。ラパンのそば会のこの時は、びわ、ライチ、ブルーベリーを付け合せました。
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【さらしなの三層ゼリー】
さらしなゼリーにこし餡を加えて、凝固する時間差を利用して自然に三層にします。こつはゼリーを加える時にこし餡を円錐形にしておくこと。
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さて、5月から続いてきた小原さんの「永山塾」奮戦記も、いよいよ今回が最終回です。塾でのカリィキュラムを無事にすべて修められて、喜々としてご自宅へ帰られた小原さん。教える立場の私やスタッフにも豊富な人生経験から得た貴重な話など逆に教えていただき、また励ましてくださいました。短い間でしたが、私達も本当に楽しく,時を過ごさせてもらいました。最終日に「コホ、コホ」と咳をされていたので、「最後の日に気がぬけて風邪でもひきましたか?」と笑っていた私達でしたが……
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本来ならばその後の小原さんは、地元の福岡に帰られて「出店準備に大忙し!」となるはずだったのです.ところが、残念なことに体調を崩されて現在のところ、開業が困難な状況になってしまわれました。持病の症状が悪化して、ドクターストップがかかってしまったのです。私としても非常に残念なことですが、その話を小原さんから聞いた時に「店を開くことは、できれば諦めてください」と言いました。自称、団塊の世代代表で自分一人でそば屋稼業に挑戦する心意気の小原さんゆえに、なおさら無理をしてほしくなかったし、無理をするべきではないと思いました。ご家族のご意見も尊重するとのことで、本当に残念ですが結局、開業を見送られることになりました。何よりも開店する前で良かった。正直に言えば、そんな思いが頭をよぎりました。
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常々思っていることであり、現実に店を開いた人達の多くの意見なのですが、いわゆる商売としてのそば屋は、何よりも体力が勝負なのです。余生を暢気にそばを打ってすごしたい、自分の打ったそばを人に楽しんでもらいたい、それが少しばかりでも収入になってくれれば満足だとお考えの方には酷なのでが、そば屋はとてもそんなに気楽には出来る仕事ではないのが現実です。毎日のそばを打つことだけでなく汁作りや、様々な仕込み、材料の入手、経理面や店を維持することの大変さは、まるで湖上の白鳥の優雅さと水面下の水掻きのようです。やらなけれならない仕事に時間との睨めっこで追いかけられる毎日になります。それをなんとかこなしていく力は、何よりも体力がささえてくれるものですから。体力ありきの気力です、体に力がなければ気力もうせてしまうのが現実です。
もっとも冷静に考えてみれば、仕事という物はすべてがそういう事柄なのでしょうけれども。その当たり前のことを「夢」が忘れさせてしまう、何かが(それってロマンはそばにあり!? )不思議なことにそばにはあるのですね。
そして開店後の店が軌道にのるまでの経済的な体力(これは財力かな)。これは思いのほかにかかります。自分の労力が一銭にもならない虚しさに耐え続ける一方で、手持ちの資金はどんどん目減りしていくのですから、精神的にもまいってしまいます。そこを包括して耐えられることのできる人が何とか店を継続し続けられるのが現状なようです。

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そして、最後に「永山塾」で奮闘してくださった小原さんへ。
私の考えは「自分のそばを打つ」に尽きます。自分のそばを自分の打ち方で自由に打たせる私の教え方に、共感してなおもそれを推奨してくださったことに感謝します。そして一緒に過ごした時間の中で人生の先輩として多くのことを教えていただきました。このたびの事態はとても残念ですが、今後もそばとの関わり方は、体の具合と相談しながらさまざまな形でできるはずです。たとえば、長年の経験とせっかく本格的に習得した技術を活かして、自宅や公民館などで地域の方々簡単なそばの打ち方を教えられる。本来ならお店でやろうとしたそばの種ものやそばの料理も紹介できる。考えようでは、店を開くよりももっと広がった世界がより自由に展開できるのではないでしょうか。そんな中から「そばの仲間」が生まれて、新たなつながりも芽生える可能性もたくさんあると思います。

団塊の世代代表の明るい小原さんこそが、切り開ける『そばの世界』が、きっとあるはずです。

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コメント(2件)

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酸いも甘いも ・・・
そば甘味に涎が垂れかけていたところで小原さんのお話。

やるせない気持ちがひしひしと伝わってきます。

お蕎麦屋さん開業!
決して簡単なものではないのですね〜
おちげ
2007/08/22 23:12
本当に小原さんの件は残念でした。

本人も私もそして永山さんもそれなりの希望と期待を持っていただけに落胆は大きかったですね。
でも、本当に始める前で無くって良かったです。

その後の連絡で元気に過ごされていたので少し安心しております。
また、連絡を取って見たいと思います。
休屋
2007/08/23 15:42

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