サクサクと揚がった蕎麦屋のかき揚げが汁に溶けたこっくりとした風味には、海老天のそばに勝るとも劣らぬおいしさがあります。前回のかき揚げの続編、お待たせ致しました。十月の穏やかな秋晴れの午後。さっそうと天ぷら鍋を庭に持ち出して、いざ天ぷらに挑むは三人の『かき揚げ初心者男衆』さて、その揚げっぷりやいかに!
かき揚げ「命」の三人のために用意した食材です。
海老、茄子、玉葱、サツマイモ、にんじん、水菜、青ネギ。写っていませんが他に三葉、ゴボウも用意しました。
お好みでお使い下さいましな。
今回のかき揚げは、ちょっとばかり道具を使います。これがポイントです。
まずはこの「かき揚げリング」。市販品です。何たって道具ですから使い方しだいで非常に心強い見方になってくれるスグレもの。
衣の固さとおよその量が解りやすいので、まずはゴボウ天を揚げていきます。
ゴボウに下衣の小麦粉をまぶします。
通常の衣に茶さじ一杯ほどの水を加えて衣を薄めにします。これが型を使うかき揚げの大切なポイント。ほんのわずかな水で衣は薄くなります。これで衣がきれいに散り、かき揚げもボテッと重くならずに軽くあがります。型に素早く均一に流し込めるようにボウルの端に種をまとめておきます。
リングを天鍋にセットして油温が180℃になるのを待ちます。緊張してる?
種を一気に型に流し込みます。油温が適温なら衣が瞬時に細かく散ります。
ほんの一呼吸して型を外します。ここでのんびりとして型に長く入れておくと、いかにも型を使った感じのかき揚げになってしまいますから要注意。型を即座に外すことで種が自然に膨らみふっくらと仕上がるのです。これが軽く揚げるコツでもあるわけです。これもポイント。
散った衣を網で集めて種にのせます。
気泡が少なくなったら油を切って引きあげます。
「かき揚げリング」がなくてもセルクルと百均のトングがあれば型ができます。セルクルがなければ空き缶でも代用できます。
さて、型を使わないかき揚げの揚げ方(こちらの方が一般的かな?)もやりましょう。
こちらが秘密兵器「花咲かせ養成ボトル」です。百均で買ったボトルの中には薄めに溶いた衣が入っています。
下粉の小麦粉をまぶした種に通常の固さの衣(黄身水100mlに薄力粉55g見当)を少なめに加えて軽く混ぜます。

箸を種に添えてボウルを返すようにして種が広がるように揚げ油に落とします。

衣が余分についていないことと、少し固めなので衣は散りません。

「花咲かせ養成ボトル」の登場。
ボトルに入っている衣を天鍋に注ぎ、散った衣を型を使って揚げた時の要領で種にのせていきます。
海老と三葉、ゴボウ天などのアウトドアかき揚げです。一人で四個づつ食べてしまいました。しかしよく食べられたね!
かき揚げもうまく揚げられるようになったことですから、かき揚げと一緒に前記事「蕎麦屋の海老天」(9月13日の記事)も参考にして天ぷらを揚げてみて下さい。
告白します。実は私、立ち食い蕎麦の「天玉そば」が少年の頃よりだぁーい好きでして、今でも外出する度に駅で立ち食い蕎麦店を探して食べております。玉子をほぐしてかき揚げとからめるあの瞬間は何か幸せ。いつ玉子を崩そうか悩んでしまいます。
そんな私ですが現在置かれているつらいつらい立場ゆえに自分で作るゴボウ天のかき揚げそばは青味は鶯菜、吸い口は松葉柚子などでお上品に決めてしまいました。あっ、思わず生玉子を……
天ぷらといえば子供の頃、母の作る料理に「メリケン粉の風船爆弾」のようなおもいっきりボテっとしたかき揚げ(母はそう呼んでいたが)があってそれが今ではなつかしい。「オーイ、具はどこだー! 元気かー」「はーい、メリケン粉の中で窒息しそうです!」みたいなかき揚げ。ついでに歯磨き粉のような味がするドライカレーや、片栗粉の固まりがポカポカ浮いてくるカレーなんてのもありました。
料理をうまく作るために必要なことはちょっとした「コツ」やポイントを押さえることと、ほんの少しの知識と工夫なんですね。かき揚げ初心者の三人衆といえばすっかり自信をつけたようです。恐い物知らずだね。
「このブログを読んで今度、かき揚げ作ってくださいね。」ぜひとも我が母上様。
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